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概要

広報はくば4月号

白馬耳目白馬村へ移住して1年6ヶ月。そして集落支援員という仕事に就いて10ヶ月が過ぎた。日々村内を歩き、西側に連なる白馬連山を仰ぎ見る。折に触れ村の人たちと郷土の話をする。悠久の大自然、人知の集落、そこに生きる人々。白馬村の魅力は無限大だ。30年以上出版編集記者を続けていると、職業柄自分が暮らす環境や社会を「メディア」という視点で捉えてしまう。地域が有する情報発信力を計ろうとする。僕が言う情報とはテレビや新聞などではない。自然・街・人が宿す象徴的かつ潜在的な力を意味する。白馬村という中心点から周辺地域―長野県―日本全国―ひいては世界へと幾重に広がる魅力の波紋。今まで数多くの国を訪問し様々な取材を経て見聞きした中でも白馬村ほど強力な情報発信力を秘めた地域はなかった。この村に思いを寄せる熱量が増えるにつれ正比例するように想いが湧きあがる。それは「白馬全村メディア化」というビジョン(展望)。これはPR 専門企業に宣伝を委ねることではない。村民一人一人が自分を“示す”、個々の“得意”や“好き”を広報する世界だ。その手法=媒体の一つとして「集落新聞」がある。プラットフォームを設置し自らが取材、写真を撮る、絵を描く、文章を書く。集落の「ヒト・コト・モノ」を表現する。その情報は他の集落へ、そして村全域へと広報される。自分たちが気付いていない集落の魅力を誰かが発見し伝播。全国規模で紹介される可能性はとても高い。移住者が押し寄せる可能性もある。集落や個人が縁側や軒先で起業し新たな家内制手工業が成功する未来さえ見える。「自らをメディア化」するなど、感覚的には遠い世界のことのように思えるかもしれない。しかし昨今、たった一枚の画像、わずか一行のつぶやきが一夜にして世の中を変えてしまう。情報とは恐ろしい。それら背後には誇張やうそが隠されている場合が多い。けれど白馬村にはフェイクは存在しない。あるのは真実だけだから。(集落支援員/佐藤一石)集落新聞創刊を夢見る。集落支援員に就いてVol.10白馬村に初めて集落支援員が配置されて10ヶ月。振り返ると小規模集落内の草刈り、特定外来植物分布調査および除去、空き家調査などが主な活動でした。前例・実績がないため手探り的な活動実態であったことを反省しています。新年度を迎え支援活動レベル向上を図るために不可欠なこと。それは集落とのコミュニケーション密度を高める。改めて最重要の課題だと痛感しています。総務省が実施した「過疎地域等の自立促進に向けた集落支援員の活用実態に関する調査事業の報告書*平成27年度」によると集落支援員の主な活動内容上位は左記の結果でした(複数回答可)。「集落と行政との連携等(要望の取りまとめ等)= 60 ・5%」「集落が抱える課題の点検・整備= 57 ・9%」「集落のあり方について、地域住民間の話合いの促進・開催=44・1%」右記は集落との密接な関係性構築があってこそ実現可能な活動内容だと認識しています。2年目を迎え決意を新たに、微力ながら白馬村の発展に尽力いたす所存です。(集落支援員/宮島佐登志・佐藤一石)11