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概要

広報はくば9月号

14特定健診健康福祉課白 馬 村 の 健 康 Vol.89―失明、人工透析、左足切断と糖尿病合併症の三重苦となった―38歳の頃、それまで大好きだったゴルフに急に行きたくなくなりました。体がだるく、足が重い感じがして、ボールを打ちたくなくなり、行かなくなりました。でも、まさか糖尿病とは思わず、普通に生活して、普通に酒も飲んでいました。仕事は不規則で、ほぼ毎日飲酒。缶ビール5?6本、次に焼酎をボトルで1/3程度だったと思います。そのまま2年ほど過ごすうちに、目のかすみ、足のむくみ、だるさ、喉の渇きが尋常でなくなり、トイレも夜中に膀胱がパンパンになるくらい、頻繁に行きたくなりました。そして、40歳。通勤電車の中でめまいに襲われ、目の前が真っ白に。立っていられなくなり、病院に駆け込むも、最初の病院では診断がつかず、2つ目の病院で糖尿病と診断、即入院しました。そのときの気持ちは、「まさか…、でも来たか」という感じでした。でも、その頃、糖尿病に関する知識もなく、「合併症」がどんなものかもわかりませんでした。入院時すでに、糖尿病網膜症がかなり進行していました。まずは目の手術をしましたが、結局左目は失明。光を失う恐怖から、マンションから飛び降りようと、一度ですが廊下の手すりに手をかけたこともありました。その後、別の病院で慢性腎不全の治療を受けましたが、専門医でなかったために、適切な治療を受けることができず、人工透析になってしまいました。今も週3回、透析に通っています。そして足切断です。今思えば、足がだるくてむくんで仕方なかったのは、糖尿病が進行していたからだと思いますが、その頃は、まったくそんなことは考えもしませんでした。足の感覚が鈍ってしまい、治療で外科の先生が足の甲をメスで切ると、膿がザーッと出てきて、ガーゼで膿を取ってもらっても、痛くもかゆくもない。神経障害は怖いです。最終的に左足切断。今はもっと自分の足をかわいがってあげればよかったと後悔しています。振りかえると、糖尿病の知識が自分にあったら、少し違っていたかもしれません。20年前は今のように糖尿病の情報が広まっていなかったし、自分もまったく関心がありませんでした。母が「糖尿病になると目の前が真っ赤になるんだ」というので、「じゃあ、真っ赤になるまでは糖尿病じゃないんだ」と思っていたくらいです。正しい知識があって早く病院に行っていれば、自分の仕事人生でいちばん脂がのった40代を棒に振ることがなかったと、今、とても悔しい気持ちです。私は基本的に楽天家なので、「なってしまったものは仕方がない。できることをしよう」と毎日を過ごしています。今は、HbA1c6.4とまずまずのコントロールですが、視力が残っていた右目が見えにくくなってきてしまいました。楽しみはテレビを観ることですが、目が見えなくなってしまったら外出もできなくなるし…。40代の働き盛りの人には、「健康診断を定期的にきちんと受ける。自分のからだをかわいがってあげる。いたわってあげる」そして、「糖尿病になってしまったら、仲良くつきあっていくしかないですね」と伝えたい。正しく治療していれば糖尿病は怖くない。でも放っておくと怖い病気です。合併症の怖さに少し想像力を働かせて、毎日の生活を見直してほしいですね。厚生労働省 生活習慣病対策室「糖尿病の治療を放置した働き盛りの今」 より今回のテーマ「糖尿病体験談~ 腎症~ 」お問合せ 白馬村役場 健康福祉課健康づくり係 電話:0261-85-0713自分のからだのコト…知りたくない? 知りたくなったら健診へ!白馬村では2019年も特定健診・各種がん検診を行っております。体験者:40歳で発症。 外科で足の甲をメスで切って膿がザーッと出てきても痛くもかゆくもない。仕事が忙しく治療を放置したJさん。(59歳 男性)前回は糖尿病3大合併症の1つ「糖尿病性腎症」についてお話ししました。(詳しくは白馬の健康Vol.87・88へ)今回はそんな糖尿病性腎症に実際になってしまった方のリアルな声をお伝えします。