公共施設への太陽光発電システムの設置
白馬の屋根から、未来のエネルギーを。― 公共施設への雪に強い太陽光発電設備の設置が完了しました ―
白馬村では令和7年度に国の「地域レジリエンス・脱炭素化を同時に実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入事業補助金」を活用し、白馬村保健福祉ふれあいセンターと白馬村立白馬中学校の2施設に、雪国の気候に適した屋根一体型太陽光発電設備を設置しました。

白馬村は2020年2月に「ゼロカーボンシティ宣言」を行い、2022年1月には「白馬村ゼロカーボンビジョン」を策定しました。さらに2024年5月には、より具体的な取組を、スピード感を持って推進するための行動計画として「白馬村ゼロカーボンロードマップ」を発表しています。今回の設備導入は、こうした白馬村の脱炭素への歩みを、公共施設から具体的な形で示す大きな一歩です。

設置施設の概要
令和8年2月稼働初月の実績発電量
令和8年2月に稼働を開始した実績発電量は以下のとおりです。
| 施設名 | 2月発電量 |
|---|---|
| 白馬村保健福祉ふれあいセンター | 5,511.3 kWh |
| 白馬村立白馬中学校 | 3,005.6 kWh |
※令和8年2月の実績値(交流電力量)です。冬季かつ稼働初月データのため、日照時間が長くなる春以降はさらに多くの発電が見込まれます。
年間発電量(試算)
| 施設名 | 年間発電量(試算) | 自家消費率(試算) | 電力自給率(試算) |
|---|---|---|---|
| 白馬村保健福祉ふれあいセンター | 116,079 kWh/年 | 84.0% | 25.4% |
| 白馬村立白馬中学校 | 65,917 kWh/年 | 97.2% | 17.2% |
※ 上記の数値は令和8年度以降を想定した試算値です。実績データは今後順次公表していく予定です。
※ 自家消費率の分母(消費電力量)は、電力契約の関係上、ふれあいセンターについては白馬村役場との合算、白馬中学校については学校給食センターとの合算となっています。
2施設を合わせると年間約18万kWhの再生可能エネルギーを屋根の上で生み出す見込みです。これは一般家庭約40世帯分の年間消費電力に相当します。発電した電力のうち、保健福祉ふれあいセンターでは約84%、白馬中学校では97%超を各施設内で消費できると試算しており、電力の「地産地消」が着実に進むことが期待されます。
この設備の3つの大きな特徴
雪に強い太陽光パネル
これまで一般的に普及してきた架台式の太陽光パネルは、パネルを屋根の上に浮かせて固定する構造のため、雪の重みでひび割れたり、フレームの突起部分に雪が引っかかって発電量が下がるといった課題がありました。積雪への対応強度にも限界があり、豪雪地帯での設置はなかなか進んでいませんでした。
今回設置したのは、パネルそのものが屋根の一部となって建物と一体化した屋根一体型の太陽光パネルです。表面が平らでフレームの突起がないため、積もった雪が自然に滑り落ちやすく、冬場でも発電量を高く保てることが実証実験で確認されています。また、垂直積雪量300cmまでの地域でも安心して設置できる強度を持っており、日本有数の豪雪地帯である白馬村の環境に適した設備です。
実際に、従来型のパネルと比較した冬季(12月から3月)の発電量データでは、屋根一体型のパネルが約3割多く発電できることが示されています。「雪が多いから太陽光は難しい」というイメージを覆す、雪国の新しいスタンダードとなることが期待されます。

停電・災害時にも、地域を支えるエネルギーの拠点へ
この設備は、平時の電力を太陽光でまかなうだけでなく、大規模停電や災害が発生した際にも、施設内へエネルギーを供給できる仕組みを備えています。
保健福祉ふれあいセンターや白馬中学校は、避難施設・防災拠点としての役割を担っています。これらの施設が停電時でも独自に電力を確保できるようになることは、いざという時に村民の皆さんの安全・安心を守ることにつながります。
地震や大雪など、予測できない自然災害に備えた地域の「強さ(レジリエンス)」を高める取り組みとして、今回の設備導入を位置づけています。
発電のようすが「見える」、村民みんなへの学びの場
両施設には、エネルギーの発電量・消費量などをリアルタイムで表示するモニターを設置しました。今、屋根の上でどれだけの電気が作られているか、施設でどれだけ使われているか、一目でわかるようになっています。
施設を訪れた際には、ぜひ画面をのぞいてみてください。晴れた日と曇りの日、夏と冬の違いなど、再生可能エネルギーの特徴を身近に感じていただけます。子どもから大人まで、脱炭素を「自分ごと」として考えるきっかけになれば幸いです。
モニター設置場所
- 白馬村役場 村民ホール
- 白馬村立白馬中学校 やまびこホール
白馬村ゼロカーボンビジョンとのつながり
白馬村は「白馬村ゼロカーボンビジョン」において2050年までにCO₂排出量実質ゼロ、「白馬村ゼロカーボンロードマップ」において2030年までに2016年度比でCO₂排出量60%削減の目標を定めました。
そのロードマップの重点施策の一つが、「白馬村の気候的特徴や景観との共存が可能な形での再生可能エネルギー導入の推進」であり、建築物の壁面や屋根に設置するタイプの太陽光発電の積極導入が明示されています。
白馬村では景観保護の観点から、野立て(地面に直接設置するタイプ)の太陽光発電設備の設置はほとんど全面的に禁止されています。そのような制約の中で、屋根一体型のパネルは、北アルプスの山並みや白馬らしい景観を損なうことなく再生可能エネルギーを導入できる、まさに白馬村の地域特性に合った選択です。
公共施設の屋根を活かして生み出したクリーンな電力を、まず施設内で使う。余った電力は地域で活用する。この「エネルギーの地産地消」の取り組みを、村内外に向けた雪国における太陽光活用の新しいモデルとして発信していきます。
村民の皆さまへ
白馬村の自然は、次の世代へ引き継いでいくべき大切な「いのち」です。公共施設での取り組みは、脱炭素に向けた村全体の歩みの一部にすぎません。ご家庭や事業所でのエネルギーの使い方を見直すこと、省エネへの意識を高めることなど、皆さん一人ひとりの行動が、白馬村の未来をつくります。
この記事に関するお問い合わせ先
総務課 情報まちづくり係
〒399-9393
長野県北安曇郡白馬村大字北城7025
電話番号:0261-72-7002 ファックス:0261-72-7001







更新日:2026年03月09日