八方尾根高山植物帯
区分
長野県指定 天然記念物
指定年月日
昭和39年8月20日
場所
白馬村大字北城八方
八方尾根は唐松岳(2,692m)に端を発し山麓の八方区(800m)までの間7.6kmを平均斜度14.0度のゆるやかな勾配で、途中に大きな起伏もなく下る尾根で、蛇紋岩を主体とした老年期の山です。
尾根は地質や気候の関係で、普通なら森林が発達すべき標高でありながら、黒菱平から八方池までの間では森林は見られず、随所で白馬盆地の田園風景や家並みを見下ろすことができ、白馬連峰の山脈や五竜岳、鹿島槍ヶ岳が眼前に広がり、東には戸隠から上信越の山々や浅間山などを望むことができます。
足元に目を移すと、一般にはこのあたりの標高では見られないハイマツ・ワタスゲ・イワイチョウ・ヨツバシオガマ・ユキワリソウ・チングルマなどの高山植物が見られることが特徴です。
この尾根で見られるこのような植物分布の異常な姿は「逆転現象」と呼ばれるもので、この特異性による植物社会の素晴らしさを感じることができます。
八方池山荘付近から見た白馬連峰
ニッコウキスゲ
更新日:2021年03月16日