白馬連山の氷河調査(杓子沢・不帰沢・白馬沢)

白馬村では、令和2年度以降、新潟大学、白馬山案内人組合、白馬・山とスキーの総合資料館等と共に、氷河である可能性が高い杓子沢雪渓・不帰沢雪渓・白馬沢雪渓の調査を実施しています。

世界的には高緯度で寒冷な地域に存在する氷河がほとんどですが、日本の氷河は低緯度・温暖な気候ながらも多雪地域であることから、特殊な環境で形成されている氷河です。

氷河の形成メカニズムや体積の増減を知ることで、地球環境の変化や日本・北アルプス特有の環境を解明することにもつながります。

※氷河調査は長野県 地域発 元気づくり支援金を活用して実施しています。

杓子沢雪渓

杓子沢雪渓

調査方法

  • セスナ空撮による質量収支観測
    毎年同時期に空撮を行い、3Dモデル化して経年変化・質量収支を観測しています。
  • 地中レーダー測定による氷厚観測
    雪渓上で高周波の電磁波を氷体に照射し岩盤までの距離=氷の厚さを測定しています。
  • GNSS測量機による流動観測等
    雪渓にポールを立てて1 ヵ月・1 年間の位置情報の変化を測定しています。
  • アイスコアの掘削・分析
    氷体を掘削・解析して、氷河の形成メカニズムやどれくらい前に形成された氷かを推測します。

現地調査は、冬に降り積もった雪が融けて氷体が露出する9月〜10月に毎年実施しています。
天候によりスケジュール変更を余儀なくされたり、少雪によりアクセスルートが通行困難な状況になってしまったり、予定どおりに進められないことも多くありますが、安全を第一に取り組んでいます。

GNSS測量

GNSS測量に用いるポール

アイスコア(氷河氷)

掘削したアイスコア

氷河調査結果の活用

貴重な資源である氷河を、観光や教育・研究などの多分野で活用するための検討を行っています。

杓子沢雪渓は白馬駅から真正面に見える場所に位置しているため、氷河であることが確認されれば、「街から見える氷河」として、北アルプスに抱かれた白馬村を象徴する環境資源となります。

また、多様な地形・地層を有する北アルプスの山岳ツーリズムに組み込んだり、学校教育や生涯学習においても地域学習・環境教育として取り扱ったりすることで、地域内外の多くの方々に氷河が存在することの意義や魅力を伝え、白馬村の自然環境の素晴らしさや環境保全の重要性を多くの方に知っていただきたいと考えています。

街から見る杓子沢雪渓

街から見る杓子沢雪渓

調査隊の活動状況

氷河調査をふるさと納税で応援

白馬村では、氷河調査事業について、ふるさと納税制度を活用して寄附金を募る「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」を実施しました。

42名の方から目標額の200万円を上回る寄附金をお寄せいただきました。

ご寄附いただいた皆様に感謝申し上げます。

氷河に関する特別な返礼品をご用意

杓子沢雪渓の氷河調査に同行する権利や、北アルプスの氷河・雪渓群をヘリコプターから眺める遊覧ツアー、唐松沢氷河を眺められる白馬岩岳マウンテンリゾートを満喫できる返礼品などを提供しました。

寄附いただいた方全員に氷河調査報告書をお送りします。

詳細は、以下のページをご覧ください。

この記事に関するお問い合わせ先

生涯学習スポーツ課 生涯学習係

〒399-9393
長野県北安曇郡白馬村大字北城7025
電話番号:0261-85-0726 ファックス:0261-85-0723

お問い合わせはこちら

更新日:2023年02月14日