村長ブログ(7月末から8月初めの中国訪問)

7月31日から8月3日までの4日間、県の要請を受け長野県阿部知事を団長とする訪中団として、北京市並びに長野県との友好提携40周年となる河北省へ行って参りました。

8月3日は、終日移動日でしたので、実質3日間の行程。



初日の7月31日は朝の便で羽田を発ち、北京市内のホテルに昼過ぎに到着し、中国国家体育総局を訪れました。
日本で言うところのスポーツ庁にあたります。

中国訪問
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同局の副局長であり中国オリンピック協会の副主席も務めていらっしゃる李氏らと対談いたしました。

主には長野冬季オリンピック・パラリンピックと北京冬季オリンピック・パラリンピックを通じた選手の育成や交流、施設の活用等について、情報共有や今後の連携について意見交換がされました。

今回県内の市町村長では、私と山ノ内町長が訪日団として参加しており、発言の機会を頂きました。

北京冬季五輪開催にあたり、長野冬季五輪のメイン会場の一つとなった白馬村に、これまでも中国から多くの視察団にお越しいただき、特にジャンプ競技場には中国の選手も多く来られ、視察や練習を通じた交流がなされていたこと。長野オリンピックを見てジャンプを始めた地元白馬の渡部暁斗選手が、北京冬季五輪の開会式で日本の旗手を務めたこと。私は昨年就任したが、就任前に北京冬季五輪があり、コロナ禍で白馬から応援団が行くことが出来なかったが、オンラインパブリックビューイングの取組を行い、メイン司会として応援して北京と繋がっていたこと。などをお話しし、特に若者たちの今後の更なるスポーツ交流について意識を共にいたしました。

中国訪問
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その日の夕方からは、北京での観光プロモーションとして、中国人スキー・スノーボード愛好家、関係団体など90名ほどを対象に、長野県スキー・スノーボードファンの集いがノボテル・シンチャオ北京で開催されました。

中国訪問
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私どもが会場に着いたのは、ステージでのPRの直前でしたが、それ以前の時間から長野県内の人気スノーリゾートがブースを出しており、白馬村からは3市村連携の白馬バレーツーリズムと、エイブル白馬五竜が中国語対応が可能なスタッフを中心にプロモーションを行なっておりました。

私は、ステージで阿部知事と山ノ内町長とともにトップセールスを行い、冬の魅力に加えてグリーンシーズンのPRも行いました。
特に上質な滞在型リゾートを意識したプロモーションをし、中国語も交えて楽しく魅力的な宣伝と交流が出来たと思います。

 


翌8月1日は、午前中に在中日本大使館を訪れ、小泉特命全権公使をはじめ参事官らと対談し、中国の現状や課題について情報提供していただきました。

訪問した際は、まだ中国からの団体旅行客が解禁になる前であり、またALPS処理水の放流の実施前でしたが、私からはプロモーションに関する質問や、受け入れ体制に関する質問をさせていただき、大変参考になる回答を得ることが出来、普段なかなか生の情報を得れない部分でもあったため、有り難い機会となりました。




午後は、対外友好協会を訪れ、中国人民対外友好協会の林会長や2019年まで駐日日本特命全権大使で現在中日友好協会の常任副会長を務めていらっしゃる程永華氏と会談いたしました。

中国訪問
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中国の最新の政治経済情勢や社会情勢を共有いただき、農産物の輸入規制解除に向けた意見交換やチャーター便誘致への協力依頼などについて対談がなされました。

こちらでも発言の機会をいただき、長野五輪と北京五輪の話や、選手・関係者らの交流が続いて来たことに加え、コロナ前には中国から白馬に観光客だけでなく労働者としても多くの方にお越しいただいていたことへの感謝を伝えると共に、これからの人材交流等についてお話させていただきました。
日本と中国は国家間は現在難しい状況にありますが、小さな自治体レベルや、各団体ごとの交流は非常に良好で友好的なものであり、将来のことを考えた場合にいつまでも争い合い続けることが未来の世代にとって有益でない観点からは、こうした個々の取組でお互いの信頼を築き上げていくことは私たち世代に出来る活動であると感じます。

中国訪問
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その後は、歓迎の晩餐会を開催いただき、冒頭の挨拶では林会長と阿部知事が、お互いに更なる友好関係を築き上げていくことについてお話しされました。林会長の挨拶の中では、北京周辺の環境対策などについても紹介がされ、EV推進への取組や緑地化促進の取組、キャッシュレス決済等のデジタル化の取組が非常に積極的で感心しました。

中国訪問
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同日は、午後に北京市人民政府を訪れ、北京市長にお会いする予定でしたが、ちょうど台風による洪水の対応に市長が追われており、夜にお会いすることとなりました。

殷市長は、市長と言っても日本で言うところの市長ではなく、東京都知事のような存在です。北京市の人口が約2300万人ですから、東京よりも900万人ほど多い大きな自治体であり、その首長が非常にお忙しい中で時間を作ってくださったことは、長野県からの訪中団をどれだけ大切に思っていてくださっているかが窺い知れ、大変有り難く思いました。

殷市長と阿部知事による対談の場に、同席させていただきました。

阿部知事からは、冬季五輪を契機とした交流や、スキー等の選手・指導者の交流の継続、また教育旅行の促進や青少年交流に加え、輸入規制に関する科学的見地に基づいた対応等についてお話がされ、殷市長からはコロナ後に最初に訪れた都道府県知事ということで心からの歓迎と共に、今後のさらなる交流について約束が交わされ、覚書の締結式が執り行われました。

中国訪問
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3日目の8月2日は、午前中に高速列車で北京から河北省の石家荘市へ移動しました。

 

中国訪問
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昼食時には、河北省対外友好協会との交流会が開かれ、河北省人民対外友好協会の呂副会長はじめ、これまでも長野県の関係者と長年友好交流をされて来られた方々が出席されました。

私は初めての河北省との交流でしたが、長野県から参加された方の多くがこれまでも河北省との交流をしてこられている方でしたので、コロナ禍で会えなかった時間もあったことからお互い再会を喜び合い、40周年を祝う終始和やかな雰囲気の昼食会となりました。

昨今メディアで流れるニュース等を見ていますと、日本と中国との関係はネガティブなものが多いですが、こうして実際に交流させて頂くと、個人間や地方自治体間ではそうしたものは全くなく、やはり対面のハートtoハートな関係は平和への架け橋になると強く感じました。

中国訪問
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その後は、少しの時間で河北省博物院および事業者による長野県と河北省の産業マッチングイベントや商談会の会場を視察した後、こちらも当初お会いする予定であった河北省長が洪水対応に当たっていたため遠隔地におり、阿部知事が電話によるトップ対談を行いました。

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そして、今回の一番大きな会談の場となる河北太行国賓館1Fの「西柏坡庁」へと移り、河北省長野県友好提携40周年交流懇親会が始まりました。

懇親会といっても、サミットのような対面での同時通訳イヤホンを付けたプレゼンスタイルで、私も2分ほどのご挨拶を兼ねたスピーチのお時間をいただきましたが、大変緊張しました。

河北省側は、副省長の金氏と河北省人大常委会の高副主任を中心とした河北省の各部長や友好協会の皆様が出席され、歓迎の挨拶や友好40周年をお祝いするお言葉をいただいたり、産業の紹介などがされました。

河北省には北京冬季五輪の際にジャンプ競技等が行われた張家口市があり、昨年の北京冬季オリンピックの際は白馬にゆかりのある選手も多く競技に出場したことと、白馬村の渡部兄弟が銅メダルを獲得したことをスピーチの中でお伝えしました。

また河北省は白馬とも交流が多く、金副省長がスピーチの中で北京冬季五輪施設の後利用についてという話をされたので、私もスピーチの中で40周年の交流の喜びや地元の親しい方々が河北省の皆様と長年に渡り交流させていただいていることの感謝に加え、白馬村でこれまでオリンピック・パラリンピック後にジャンプ競技場やクロスカントリー競技場で行われた競技以外のイベントなどについてお話し、参考にしていただける部分もあると思うので今後情報交換をさせていただき、50周年100周年と良い交流を継続していきたい旨をお伝えしました。

長野県側からは、教育分野や学習旅行での交流についても促進していきたいとの話しがされ、大変貴重な懇親会となりました。

中国訪問
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今回の滞在最後のイベントは、河北省交流40周年歓迎レセプション。

大きな会場で広い円卓を囲んでのレセプションで、金副省長や高副主任はじめ大勢の河北省の皆様と交流する機会になると同時に、長野県の友好協会の方々ともお話できる機会となりました。

中国訪問
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最後はみんなで日本の歌を大合唱し、大変賑やかで和やかな雰囲気の中で長野県と河北省の友好40周年を祝い、これからの更なる友好交流を誓い合いました。

10年後、友好提携50周年を迎えた時に、両者が再びそれぞれの存在と長年の交流に感謝できる環境であり続けられる世界であることを心から願うと共に、力を合わせてそうした世界を創り上げていかなくてはいけないと強く感じた訪中でした。

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更新日:2024年01月16日