青鬼地区の概要

青鬼地区は、白馬村の北東部、東山の山腹標高約760mに位置する小規模な山村集落で、北には岩戸山、東には物見山や八方山に囲まれ、南西には五竜岳を中心に北アルプスを望む雄大な景観を有しています。

地区の中には、縄文時代中期・後期の善鬼堂遺跡・馬場遺跡があり、古くから人々の生活の場であったことが知られています。

集落は、なだらかな南斜面の傾斜地に形成され、建造物群は等高線に沿う形で東西約250m、南北約100mの中にほぼ三日月形状に2段に並んでいます。主屋は江戸時代後期から明治時代にかけて建築された茅葺の大型なものが多く、現在は鉄板被覆の主屋が14戸残されています。また、伝統的な土蔵が主屋から少し離れて8棟あります。集落各戸の敷地境は道路と若干の植栽あるいは石垣や水路などで区画され、特に周囲に塀や生け垣を設けることもなく開放的であり、斜面地のため南面する主屋の背後には石垣が築かれています。主屋の周囲には納屋等の付属屋があり、土蔵は主屋と離れて造られているものが多く見受けられます。

万延・文久年間(1860~63)には、当時の青鬼集落24戸によって用水路である「青鬼上堰」(延長約3km)開削という大土木工事が行われ、集落の周辺に石垣を有する棚田が開かれるようになりました。屋敷地の周囲にも若干の耕作地がありますが、集落の東方には石垣により築かれた小規模で形も様々な約200枚の棚田が広がり、祖先の偉業を現在に伝えるものとして貴重な存在であるほか、棚田百選にも選定されるなど青鬼集落の景観を形成する大きな要素となっています。

集落の入口付近には向麻石仏群、阿弥陀堂石仏群があり、集落中央部の北方には長い石段と石畳が延び、これを上ったところに鎮守の青鬼神社があります。青鬼神社では、5月に春祭、9月に本祭、11月に秋祭が行われるなど、住民の生活にとって欠かせないものとなっています。

北アルプスと棚田、伝統的建造物群等が織り成す景観は、四季を通じて歴史と自然の美しさを感じることができる、後世に守り伝えていくべき貴重な財産です。

青鬼集落景観図

青鬼集落景観図

青鬼集落全景

青鬼集落全景

この記事に関するお問い合わせ先

生涯学習スポーツ課 生涯学習係

〒399-9393
長野県北安曇郡白馬村大字北城7025
電話番号:0261-85-0726 ファックス:0261-85-0723

お問い合わせはこちら

更新日:2023年05月08日